槍ヶ岳(2003・8・28〜31)

 日経新聞のアンケート調査によると一度は登りたい山ベストワンが槍ヶ岳だとか。九州のメンバーの方に仲間に入れていただいて3年目。今年はやっとというか、もうというかとにかく目指すは槍ヶ岳。今年の夏は雨が続いてやるつもりだったトレーニングもできないまま、その日が来てしまった。体力不足は自他ともに明らか。だからといって、この期を逃せばいつチャンスがあるかわからない。とにかく出発!

8月28日
23:00発信州さわやか号にて上高地へ。東京からは我々夫婦と友人の3人。
8月29日
5:30沢渡に到着。ここで、低公害車に乗り換え。6:00に上高地バスターミナルに到着。
ここで九州から来るメンバー2人と待ち合わせ。携帯のおかげで無事会えて、軽い朝食の後出発。上高地1500m(7:00)−明神1529m(7:45〜8:05)−徳沢1550m(8:55〜9:10)−横尾1610m10:05<昼食>横尾(11:18)−一の俣1705m(12:00〜12:15)−槍沢ロッジ1825m13:00 <泊>

明神池入口:ここから700mで明神池 ゆったりと流れる梓川 次第に青空に
徳沢ロッジ(井上靖の『氷壁』に登場する) 徳沢で見た人懐っこいマガモの赤ちゃん

『氷壁』の舞台になった前穂高東壁


横尾山荘前で:ここで、穂高登山口と
槍登山口に別れる。横尾大橋の向こ
うには前穂高岳
1日目のコースは標高差320m。距離にして約15キロメートル。梓川に沿った緑陰を水音を聞きながら、ただひたすら歩けばいい。
梓川の川幅も狭くなって 一の俣の橋で 水は澄んで冷たく気持ちいい
槍見岩:槍沢ロッジから5分ばかり登ったところにある槍が見えるという岩。見る角度であんな風にも見えるのかしらなんていいながら、何枚も写真を取った。それでもなんか変と下山してきた方に聞いたら見えてないとのこと。
徒然草の岩清水八幡宮詣での『げに先達はあらまほしき』の段を思い出して笑いこけた。

8月30日:槍沢ロッジ(6:25)−水俣乗越2094m(7:20〜7:30)−氷河公園分岐2348m(8:40〜8:50)−
       殺生ヒュッテ分岐2856m (10:15〜25)−槍ヶ岳山荘(11:00〜11:15)−槍ヶ岳山頂 (11:35)       


朝6時みんな槍目指して準備体操。槍沢
ロッジは男女交替で2時から5時まで1時
間半ずつお風呂には入れる。

朝6時26分出発。昨夕後発のメンバーも
無事着いて6人でスタート。早いのと少し雲
がかかってまだ薄暗いけれど、なんと小屋
から目指す槍の穂先が見えている。(右)
30分も行くと視界が開ける 7時20分休憩 川には雪渓が見られるようになった
トリカブト ハクサンフウロ コオニユリ
長い登りも次から次に目を楽しませてくれる高山植物に助けられる。特にトリカブトはあちこちに咲いていた。
その他の花たちは季節の花たち
負傷した方を手持ちの三角巾で手際よく治療するMさん 長い上り。風景が変わらないのがつらい
9:07ようやく槍の雄姿が 10:16:見えてからがまた長い 槍ヶ岳山荘前で
ようやく山頂です。穂先には一気に登ってしまいました。長いのぼりのガレ場よりスリリングな岩場や鎖のほうが個人的には好きです。メンバーには逆もいて、ここではへっぴり腰の人もいましたが。天候は秒刻みのように変わり、午後にはすっかり霧に閉ざされてしまいました。昨日も一昨日も強風で登れなかったそうですから運がよかったといえそうです。
お昼時急に混みだしてカラフルな行列 山荘から殺生ヒュッテを見下ろして 山荘から常念岳(2857m)

8月31日槍ヶ岳山荘6:40−槍沢ロッジ(9:00〜9:20)−横尾山荘・昼食(11:00〜12:00)−
       徳沢小屋(13:00〜13:10)ー 明神(14:00〜14:10)−上高地15:00〜16:00(さわやか信州号)
       −新宿21:30 

 昨日午後から天候は下り坂で、夕方からは雨が降り出し、夜中は小屋ごと吹っ飛ぶかと思うような強風でした。山の天候の変わりやすさと激しさを思い知らされました。予定では槍平小屋から新穂高温泉に降りるコースでしたが、朝6時半過ぎ、槍平小屋から連絡が入り、増水して沢越えが危険ということで、結局登ってきたコースを戻ることに。強い雨脚と風にあおられながらの下山となり、写真は1枚も撮れませんでした。のぼりには槍沢で1泊とったコースを雨の中一気に上高地までの22kmを下りる強行軍。私は最初のガレ場ですでに膝に不安を感じ、途中からは本当に膝に痛みが走り、歩くのがつらくなりました。後半はKさんと夫にかわるがわるリュックを担いでもらって何とか新宿行き最終のバスに間に合いました。迷惑をかけて本当に反省しています。でもやっぱり行ってよかったの一言です。槍ヶ岳は登ったというだけで、達成感と自信をくれる素敵な山です。とにかくただひたすら一歩ずつ前に歩けば必ず登頂できる実感は魅力です。「頑張らないけどあきらめない」と言う言葉が今回の私の心境にぴったりでした。マイペースでゆとりを持ったスケジュールならまだまだこれからも楽しめそうです。何しろ、登山中、明らかに私たちより年配の方々の元気なパーティと何組も行き交いました。夫は負けてられんと元気が出たそうです。山が目標と言うよりいつまでも山に行ける元気が目標です。

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