ツー・ブラザー(ジャン=ジャック・アノー)
ジャンル:動物
2006/01/08 08:14
ストーリー 緑が生い茂るカンボジア・アンコール。ジャングル奥地の寺院跡で、かわいい2匹のトラ、クマルとサンガの兄弟が誕生する。<br>ある日、一発の銃弾がもとで、父トラが殺され、兄弟は離れ離れに。活発なクマルは若き冒険家エイダンに保護されるが、数奇な運命によりサーカスに売られ、本来の野生の獰猛さを失っていく。一方、おとなしいサンガは、総督の幼き息子ラウールの友として可愛がられるが、事故をきっかけに少年と引き離され、ある男の元へとやられる。男はなぐさみにサンガを闘虎に仕立てるのだった。<br>時が経ち、成長したトラの兄弟は、運命の皮肉により悲劇的な再会をする。闘わなければ、殺さなくてはならない敵として・・・。<br>
出演 ガイ・ピアース ジャン=クロード・ドレフュス フレディ・ハイモア
この映画にいくら出せますか? 1500円〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆
コメント トラとフレディ・ハイモア君の演技と可愛さに4星。人間の身勝手な強欲さの前には全く無力なトラと子ども。自然界のなかにいてさえ厳しい状況で生きている動物たち。そこで懸命に生きる姿そのものがドラマ。トラたちに無理強いしたストーリーと演技が歴史的な事実で現実であるとしても痛々しいし、人間が余りに愚かしくて見てられない。それにしてもトラたちの演技は人間をしのいで感動的で素晴らしい。逆にそれだけ飼いならされていることが恐ろしく、トラが動物園とサーカスでしか見られなくなる日もそう遠くないかもしれない。

イブラヒムおじさんとコーランの花たち(フランソワ・デュペイロン)
2006/01/06 11:56
ストーリー パリの裏通りのユダヤ人街で、母の顔も知らず、父からも愛されずに育った13歳の少年モモ。ある日、彼は近所の年老いたトルコ人が営む小さな食料品店で万引をした。だが、そんなモモを叱りもせず、「盗みを続けるならうちの店でやってくれ」と微笑む店主イブラヒム。人種が違うにもかかわらず、イブラヒムはモモを守護天使のようにずっと見守っていたのだ。父から得られない大きな愛情に出会い、思春期のモモは笑うことや恋愛や人生の素晴らしさを学んでいく。しかし父が自殺。母だけでなく父にも捨てられ、絶望するモモのすべてを受け入れ、イブラヒムは、故郷の“黄金の三日月地帯”で新生活を始めようと旅に出る。やがて本物の親子のようになっていく二人だが…。パリの裏通りで繰り広げられるささやかな話。母にも父にも捨てられた孤独な少年と、自身も孤独を抱えるトルコ商人の老人。そんな二人が出会い、互いに必要不可欠な存在になっていく。聡明な老人はコーランの教えを、幸せをつかむ小さなコツを、人生の楽しみを少年に教え、そして少年は人生の豊かさを知っていく。
やがて舞台はパリを離れ、海を渡り、トルコへと移って行く。人種や世代にとらわれず、心を通わせることの温かさを描いたハートフルな作品「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」
出演 オマー・シャリフ ピエール・ブーランジェ ジルベール・メルキ
この映画にいくら出せますか? 1000円〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆
コメント 人生を生き抜いた知恵とイスラムのコーランから学んだ知識とに裏打ちされたイブラヒムおじさんの一言一言が素晴らしい。家族に恵まれない不幸にもかかわらず、自暴自棄にもならず幸せを願って素直に耳を傾ける少年が明るくていい。町の娼婦たちも優しい。人種も宗教もごった混ぜのパリの裏町。後半おじさんの故郷トルコに帰るドライブは急に生活感がうせてあっけない結末。

ボーイズ ドント クライ(キンバリー・ピアーズ)
2006/01/05 15:51
ストーリー  1993年、ネブラスカ州リンカーン。20歳になるブランドンは少年の格好をし、町に出かける用意をしていた。従兄でゲイのロニーは“フォールズ・シティの連中はオカマを殺す”と警告するが……。ブランドンはフォールズ・シティへと向い、地元のバーでラナと出会い恋に落ちる。しかし、ある事件がもとでブランドンの“秘密”が明るみになったとき悲劇が始まった……。実際に起こった事件を基に映画化。ヒラリー・スワンクが性同一性障害の主人公を演じてアカデミー主演女優賞を受賞。

出演 ヒラリー・スワンク クロエ・セヴィーニ アリシア・ゴランソン
この映画にいくら出せますか? 1000円〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
コメント 保守的な町で性同一障害のブランドンがたどった悲劇的な結末が実話に基づいていると知ってなんとも気が重い映画。女性の肉体で心は完全に男性と言う難しい役でアカデミー主演女優賞を獲得したスワンク。線の細い体で男性であろうとする主人公が痛々しい。その障害の事実を知っても愛を貫こうとするラナ役のセヴィーニもいい。だけど、多くは受け入れたり。許したりはしない。保守社会ってなんだろう。個人が人間らしく生きる権利を奪うことや、制裁を加える権利なんて誰にもないはず。だけど自分が実際にそれだけの心の広さを持ち合わせているだろうかと考えるとイエスと素直にうなずける自信もない。

誰にでも秘密はある(ジャン・ヒョンス)
2006/01/04 12:46
ストーリー 彼氏を振ったばかりのミヨンは二枚目実業家スヒョン(イ・ビョンホン)にすっかり心を奪われ、猛アタッ
クで見事に恋人の座を射止める。スヒョンは女心を知り尽くした完璧な男。ミヨンの次姉ソニョン(チェ・
ジウ)は、恋愛経験のない本の虫だが、妹の恋人スヒョンが予想以上に教養高いことを知り、いつしか
強烈に惹かれていく。一方、夫との関係がすっかり冷え切った長姉ジニョンもスヒョンの魅力を無視で
きなくなっていた。やがて3姉妹の恋はそれぞれに急発進し始める…。

出演 イ・ビョンホン チェ・ジウ チュ・サンミ
この映画にいくら出せますか? 1000円〜選んでください
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆☆
コメント 確かにイ・ビョンホンはかっこいいけれど、
なんだかつまらない映画。娘もがっかりしていたけれど、なるほど。韓国映画にもこんな軽いタッチのコメディーもあるということかもしれない。特別暇だったり、特にお気に入りの俳優だったら別だけど、わざわざ見るほどのものではないと思います。

ハリーポッターとアズガバンの囚人(アルフォンソ・キュアロン) 2006/01/03 17:31
ストーリー その名を聞くだけで誰もが震え上がるアズカバン刑務所。そこには史上最強の凶悪犯と言われるシリウス・ブラック(ゲイリー・オールドマン)が収監されていた。ところが彼は脱獄し、しかもハリー(ダニエル・ラドクリフ)の命を狙っているという……。<br>
出演 ダニエル・ラドクリフ ルパート・グリント エマ・ワトソン
この映画にいくら出せますか? 1000円〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
コメント 4作目を見た娘が3作目を思い出せないとか言って借りてきた。1作目しか本を読んでいないのでストーリーは分かりにくい。おまけに魔法仕掛けやおとぎばなしがすんなり理解できるほど頭と感性が柔らかな子ども時代からも時がたちすぎたのか。成長したラドクリフが相変わらず可愛くて、映像もそれなりに面白くはあるのだが。ハリポタの読者じゃなくても映画として楽しめたり、理解して納得できないと、映画作品とはいえない気がするし、やっぱり物足りない気がする。

ディープ・ブルー(アラステア・フォザーギル・アンディ・バイヤット)
2005/10/24 04:50
ストーリー 地球の表面積の7割を占める海の中やその周辺で生きる生物と、多様な表情を見せる海そのものを被写体として構成されたドキュメンタリー作品。制作に7年を費やし、ロケ地は実に200カ所を数えた、壮大なスケールの映像スペクタクルだ。<br> マイワシ、コウテイペンギン、シャチ、シロナガスクジラ…。数々の生物が懸命に生きる姿は、時に微笑ましく、時にショッキングで、時に感傷的。作品は擬人化などの手法には頼らず、冷静な観察者の視点をとり続けながらも、巧みな編集でドラマ性を紡ぎ出していく。<br> 制約の多い状況で撮影されているであるはずなのに、映像がどこを取っても美しいのにも感心する。深海の生物たちの姿も圧巻。まるでSF映画のクリーチャーのようなこんな生物が現実に存在しているなんて、と驚くことだろう。“自然”の偉大さに改めて気づかされる、発見に満ちた傑作だ。(安川正吾)
出演
この映画にいくら出せますか? 2000円〜〜3000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ 評価を控える ☆☆☆☆☆ 評価を控える ☆☆☆☆☆
コメント とにかく美しいブルーの海の世界。人間を排除した静かな秩序の中に生きる生物たちの厳しさと美しさそれをつつむ大きな海。命をつむぎ、守るためだけに生きる生物たち。まさに自然の生態がそこにはある。陸だってほんとは同じ営みが行われるべきなのに。人間が犯してしまった大きなあやまちに愕然とする。映像が美しく、誰に見せるわけでない生物たちの姿・色・動きの美しさに見とれる。自然は神業以外のなにものでもないと思い知らされる。自然は神様の贈り物で人間業で立ち入るべき領域ではない教えてくれる。

時代を撃て・多喜二(池田博穂)
2005/10/24 04:21
ストーリー 今日の自衛隊の海外派兵、憲法改悪など一連の動きは、私たちに多喜二の時代を思い起させます。<br>1920年代から30年代にかけて日本が戦争とファシズムの道に突き進んだ時代、平和と民主主義の旗を高く掲げて活動したことで、特高警察によって虐殺された小林多喜二の生涯と文学には今なお私たちを奮い立たせる力があります。 <br> 私たちは何よりも小林多喜二の勇気を描くことを目的としました。私たちは等身大の多喜二像を描くことを願い、ラブロマンス、家族愛、友情、同志愛のあとを辿り、その多感な青春のエピソードを発掘しました。<br>一人でも多くの若者たちがこの映画を通じて多喜二を知り、その自由への想いを強く感じ取ってくれることを願っています。(制作委員会)<br> 「一九二八年三月十五日」「蟹工船」「党生活者」などの作品で知られる多喜二は、一九三三年二月二十日、天皇制権力に虐殺されました。映画は、その二十九年の生涯を、俳優による作品朗読やゆかりの人々の証言、研究者の発言、関係した地域の撮影などで描き出します。 <br>
出演 赤井英和 浜林正夫 田村高廣
この映画にいくら出せますか? 1000円〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
コメント 知人から紹介されて見に行きました。見る前から暗く恐ろしいことは予想され、見るに忍びない場面を考えると気が重いことでした。実際、当時の状況や世相・特に強大な国家権力のもと思想や活動の弾圧、特高警察の執拗な追求と投獄、そして虐殺。その死は70年前の日本の現実だということ。多喜二はまだ29歳だったことは衝撃です。反面美しい恋人・彼を理解し支えた妻・ひとえに信じた母などのエピソードや彼の思想と活動と作品を守り続けた人たちの存在が救いです。生々しい活動を描いた作品や強大な国家権力に虐げながら生きる人々を彼らの視点で描いた作品の数の多いことも驚きでした。プロレタリア文学としてだけでなく、文学作品としても非常に質の高い作品であることも再評価されるゆえんで、もう一度読み直さなければとの思いを強くしました。銀行員として働き、家族を支えながら、時代の波に真っ向から立ち向かって生きたその勇気のすがすがしさが全編に力強くあふれて人間多喜二の魅力を今の時代にもう一度掘り起こしたいと考えられた制作者の方々の熱い思いを理解しました。機会があれば是非。

スクール・オブ・ロック( リチャード・リンクレイター)
2005/10/18 23:37
ストーリー バンドをクビにされ、ルームメイトのネッド(マイク・ホワイト)からも追い出されたデューイ(ジャック・ブラック)は名門小学校で代用教員をしているネッドになりすましバイト感覚で学校へ行くが……。
(FLiX)

出演 ジャック・ブラック ジョーン・キューザック マイク・ホワイト
この映画にいくら出せますか? 2000円〜選んでください
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
コメント ロックが分かるわけでもないのに、主役がかっこいいより悪いほうなのに、それでも面白く楽しくて、ロックの魅力に取り付かれる。子供たちの個性が際立っていきいきと演じているのも小気味いい。教科の枠を超えているけれど教育者ではあるよと共感もする。ジャックブラックを100%生かすための脚本という感じだがちょっと影の薄そうで印象的な友人ネッドを演じているマイクホワイトが脚本。その取り合わせも意外で面白い。

笑いの大学(星 護)
2005/10/17 07:40
ストーリー 舞台は昭和15年。日本は戦争への道を歩み始めていた。国民の娯楽である演劇は規制され、台本も上演前に検閲を受けていた。<br> そんな時代に、警視庁の取調室で出会った2人の男。1人は笑ったことがない男、情け容赦ない検閲官・向坂睦男(さきさかむつお)(役所広司)<br>1人は笑いに命をかける男、劇団・笑の大学・座付作家・椿一(つばきはじめ)(稲垣吾郎) <br> 向坂は、このご時世に喜劇など上演する意味がないと考えている。“笑の大学“を上演中止に持ち込むため、椿の台本に対して「笑」を排除するような無理難題を課していく。一方椿は、上演許可を貰うため、向坂の要求を飲みながらも「笑い」を増やす抜け道を必死に考えていく。しかし、執拗な向坂の要求は、皮肉にも台本をどんどん面白くする方向に向かってしまっていた。いつしか2人は夢中で喜劇台本を創り始める。やがて、2人が創り上げる傑作喜劇とは。完成の瞬間、2人に訪れる宿命とは。 <br>
出演 役所広司 稲垣吾郎 藤村俊二
この映画にいくら出せますか? 選んでください〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
コメント 評価はかなり高い映画です。密室に近い取調室でほとんど二人だけの演技が2時間。私は少々退屈でしたし、ほとんど笑ってもいません。三谷幸喜が繰り広げる笑いのテクニックも私の笑いのツボとは多少ずれているようで役所の演技が必死の分だけ引いてしまいました。脚本の笑いのねたをいちいち解説されては笑えません。私は単純な大阪の笑いが性に合っているようで、、、。だけど役所相手に良く頑張った吾郎ちゃんに拍手。映像化しにくい脚本を映画にした監督の手腕に拍手。

ネバーランド(マーク・フォースター)
2005/10/16 16:51
ストーリー 劇作家ジェームズ・バリが、未亡人シルヴィアとの出会いをきっかけに、名作「ピーター・パン」を書き上げるまでを描く感動作。1903年のロンドン。新作の芳しくない劇評や、妻とのぎくしゃくした関係に悩むバリは、シルヴィアと4人の息子たちとの交流に安らぎや生きる喜びを覚えていた。父の死を心の傷としている三男のピーターに書くことのすばらしさを伝え、病気を抱えたシルヴィアを気遣うバリ。やがて舞台「ピーター・パン」は初日を迎えるが…。<br> 物語は、自由奔放な劇作家の不倫ドラマとしての側面もあるが、彼と未亡人家族の美しい心の触れ合いが協調され、監督の実直な演出もあって、純粋な感動を導いていく。デップは、やり過ぎず、要所で笑わせる余裕の演技。そして、バリによって書くことに興味を持ち、生きる希望を見出すピーター役、フレディ・ハイモアの演技が泣かせる。20世紀初頭、ロンドンの上流階級ファッションや、当時の劇場の様子も見どころ。ベッドからの飛行やネバーランドなど、「ピーター・パン」のファンタジー要素がドラマにうまく溶け込み、知らず知らずに涙が流れてしまう珠玉作だ。(斉藤博昭)
出演 ジョニー・デップ ケイト・ウインスレット ダスティン・ホフマン
この映画にいくら出せますか? 2000円〜〜3000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
コメント 静かな感動に浸りながらみられる私ごのみの映画。子どもたちも、デップの控えめな演技も素晴らしい。美しいケイト・ウインスレットも最高。すっかり円熟味をましたダスティン・ホフマンなど脇役も適役で美しいイングランドの情景とともにどこにもいやみのない美しい映画。子どもにとってあまりに残酷な父親や母親の死を受けいれられないピーターを励ますバリには演技を超えたデップの優しさがにじみ出ていて繊細で傷つきやすいピーター役フレディ・ハイモアとの忘れられない印象的な場面。ピーターパンのお話がますます好きになり、想像や空想やにひたる楽しさをいつまでも忘れたくないしネバーランドを信じていたい。

inserted by FC2 system