PLAY WITHOUT WORDS(マシュー・ボーン)
2004/07/09 10:32
ストーリー 英国青年貴族のアンソニーがロンドンの高級住宅街チェルシーにある新居に引っ越してきた。螺旋階段のある素敵な部屋。アンソニーはそこに召使・プレンティスを雇い入れる。何でも気が付くプレンティスに大きな信頼を置くアンソニーは、着替えの世話も任せる始末。次第に、アンソニーのフィアンセ・グレンダは、彼とプレンティスの仲を疑い始める。

一方、グレンダは、アンソニーの昔馴染みの友人・スペイトと知り合う。どこか翳りのあるスペイト。グレンダは次第にスペイトを意識するようになる。

アンソニーに促され、プレンティスは、メイドをもう一人雇い入れる。若くてセクシーで魅力的なシーラ。
新居では、友人を招いての引越しパーティーが行われる。ジェスチャーゲーム、目隠しゲームに興じる仲間たち。目隠しをしたアンソニーが、手探りで探し当てた相手は、友人ではなく、シーラだった。シーラを意識し始めるアンソニー。

そして、アンソニーとシーラ、グレンダとスペイトは互いに魅かれていき
出演 アラン・ヴィンセント ユワン・ワードロップ リチャード・ウィンザー
この映画にいくら出せますか? 5000円〜選んでください
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆
コメント 演出の意図に素直に入っていくのにてこずる。それぞれの役柄1人に対して3人が同じ舞台上で演じわけ、3人が3様にお互いに絡み合うので、舞台をどう見ればいいか視点の定めようがなく緊張もし疲れる。しかも時々同じ人物が二役をこなして何度も登場するからややこしい。展開もスピーディで3倍速で映画を見るよう。なんとなく目もなれて理解もようやくできる頃には前半の終わり。しかしダンサーはみんな素晴らしく、セットもうまく出来ているし、時々笑いを誘う場面も盛り込んであきさせはしない。後半はかなりリラックスして見れるようになり、3組のセックスシーンなど、夫にあのシーンだけでもとをとったでしょうなんて。今まで見たことのないジャンルの演劇。1度見ただけじゃ観客もNO WORDS!二度目はもっと楽しめそうな予感。(シアター・コクーン)

アマデウス(ミロス・フォアマン)
2004/06/28 01:59
ストーリー  1823年11月のある晩、ウィーンの街でひとりの老人が発狂して自殺を図り、病院へ運ばれた。この老人は、かつてウィーンで最も尊敬された宮廷音楽家、アントニオ・サリエリ。数週間後、サリエリの告白を聞くために若年の神父・フォーグラーが病室を訪れた。やがて、サリエリの回想が始まった…。イタリアに生まれたサリエリは、作曲家として優れた才能を持っていた。やがて音楽の都ウィーンへ赴き、皇帝ヨーゼフ2世付きの宮廷音楽家になった。そんな順調なサリエリの人生も、天才ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトに出会ったことで狂わされていく…。
出演 F・マーレイ・エイブラハム トム・ハルス  エリザベス・ベリッジ
この映画にいくら出せますか? 2000円〜選んでください
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
コメント 舞台を見てからもう一度見直そうと思っていたもの。20年前の作品でいつ見たかも忘れていたが、記憶にあるシーンも多く、改めて楽しめた。天才と天才を渇望する凡人の対比は双方ともに痛々しい。確かにエイブラハムの サリエリの演技は素晴らしく、前回には違和感を感じたトム・ハルスのモーツァルトも今回はその演奏や作曲シーンの演技で充分その力量を感じることが出来た。妻コンスタンツェについてもあまりにかわいらしいが、良妻や悪妻説と評価が分かれるところをなんとなく納得した。嫉妬と羨望にさいなまれ、従順を誓った神にそむいたサリエリがモーツァルトの才能あふれる作品の前では真摯にその素晴らしさにうたれてしまう。葬送曲を書き写すサリエリが嫉妬することさえ忘れてしまうシーンが印象的。それだけ音楽というものの力の大きさと天才モーツァルトのすごさを再認識。脚本のシェファーはこれを「事実に基づくファンタジーである。モーツァルトの伝記映画ではないし、もとよりそれを意図したものでもない」と言っているが実像と作品への興味もつきない。

シカゴ(ロブ・マーシャル)
2004/06/26 07:41
ストーリー 1920年代のシカゴ。舞台スターを夢見るロキシー・ハート(レニー・ゼルウィガー)は「有名にさせてやる」と言った男に騙されたことを知り、怒りのあまり男を殺してしまう。留置場へ送られた彼女はそこで憧れのスター、ヴェルマ・ケリー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)と遭遇。実はヴェルマはコンビを組んでいた実の妹を殺して捕まり、伝説のヤリ手弁護士ビリー・フリン(リチャード・ギア)を雇って弁護して貰っていたのだ。それを知ったロキシーもさっそくビリーに弁護を頼むのだが…。
出演 レニー・ゼルウィガー キャサリン・ゼタ=ジョーンズ リチャード・ギア
この映画にいくら出せますか? 1500円〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
コメント 久しぶりに見たミュージカル映画。思いっきり楽しめた。悪女に見えないレニーのロキシー。敏腕弁護士には見えないリチャード・ギア。それらしいのはキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。「And All That Jazz」など歌やダンスにも迫力があった。留置場の存在感ある看守ママの「When You’re Good To Mama」、それぞれの理由で殺人を犯した女囚たちの、「Cell Block Tango」。そしてさえない亭主が歌う「Mister Cellophane 」がいい。理屈ぬきで次々と展開するミュージカルシーンが楽しい。

ビッグ・フィッシュ(ティム・バートン)
2004/06/24 14:54
ストーリー 出産間近の妻とパリで幸せに暮らすジャーナリストのウィル・ブルーム。彼の父エドワードは自分の人生を幻想的でマジカルな話として語り、聞く人を魅了し楽しい気分にさせる名人だった。ウィルも子どもの頃はそんな父の話を聞くのが大好きだった。しかし3年前の自分の結婚式で喧嘩して以来、父とは不和が続いていた。そんなある日、母から父の病状が悪化したとの報せを受け、ウィルは妻を連れて実家へと向かう。しかし、病床でも相変わらずホラ話を繰り返す父と、父の本当の姿を知りたいと願う息子の溝はなかなか埋まらなかった…。<br><br>
出演 ユアン・マクレガー アルバート・フィニー ビリー・クラダップ
この映画にいくら出せますか? 1000円〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
コメント きわめて良質な映画。小さいころから幾度となく聞かされ、すでに成人してしまった息子にとって、その話は父親の奇をてらった、人の気を引くためのうそやほら話。ましてや誠実でまじめな性格のウイルにはだんだん我慢ならないものに。その話に隠された真実は別にあるはずと探し求めるウイル。次第に父親のほら話の中に父親の優しさや誠実さ、愛そして生来の人に愛される好ましい性格などを見出して、いつの間にか自分もまた、優しさと愛を込めて、父親の話を空想でつないでいる。父親を喜ばせるために。父親の死に立ち会いながらそのことを理解して行く過程が感動的。銀行強盗や狼人間までもがいい人という不思議な映画。

エデンより彼方に(トッド・へインズ)
2004/05/26 11:07
ストーリー 1957年、コネティカット州。紅葉の美しいニューイングランドの町ハートフォードで、キャシー(ジュリアン・ムーア)は愛すべき夫と子供たちに囲まれ、貞淑な妻であり賢い母として忙しくも幸せな毎日を送っていた。女性として常に美しく、ホームパーティを成功させる手腕とセンスも持ち合わせた彼女は、“理想の主婦”として雑誌の取材を受けることもあり、周囲の賞賛と憧れを一身に集めていた。
  しかし、ある日夫の忌まわしい秘密が露呈され、キャシーの人生は一転する。苦悩から逃れるがごとく、親しく口をきくようになった庭師のレイモンドへの淡い想いも、落ち葉を踏みしめ語り合った、たった一度の束の間の逢瀬が誤解を招き、偏見に満ちた小さな町の格好のゴシップ種となった。
出演 ジュリアン・ムーア デニス・クエイド デニス・ヘイスバート
この映画にいくら出せますか? 選んでください〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
コメント 世間体を気にしたうわべだけの生活とその底なしの空虚さに気づいたキャシーは、まやかしの楽園が崩れ去る中、本当の自分と向き合い、新たな一歩を踏み出す、なんだかそのまま「めぐり合う時間」のローラと重なってしまう。ムーアのほかの作品を見たくて選んだけれど、アカデミー主演女優賞をはじめとして、この作品のおびただしいノミネート数と受賞暦に驚く。何がそんなに共感を呼ぶのだろうか。50年代のアメリカがいまや古きよき時代になっているのだろうか。この映画を見ながらテレビドラマの『パパは何でも知っている』を思い出した。あのころの豊かなアメリカの中流家庭は私にも憧れだった。よきパパと美しいママ。広い庭と階段のあるコロニアル風の家。でも描かれているのはホモや差別やジェンダーやとその後アメリカが悩むことになる問題を底流に美しい人妻と知性ある黒人男性のはかない恋。だけどどれもしっかり描かれていて、考えさせられるというより、考えると逆にいろいろそんなはずないだろう見たいな気になるところが多くて。ムーアの美しさと50年代のファッション、ニューヨーク郊外の自然の美しさに目を奪われて、それだけでもよかったなんていう満足度。どうも映画の理解や鑑賞の能力が足りないのかと心配になってくる。

小さな中国のお針子(ダイ・シージエ) 2004/05/25 06:58
ストーリー  文化大革命の頃、中国では退廃的な大人たちや西洋文明がバッシングされ、歴史的財産も壊された。そして多数のインテリ青年が「下放」により、書を手放して農村で働くことになった。下放青年のルオ(チェン・クン)とマー(リュウ・イエ)は四川省の山奥の村で慣れない重労働に身体を痛めつつも、モーツァルトのヴァイオリン曲を「毛主席を讃える歌」とごまかして奏でたり、村では仕立て屋に最新の流行を指導し、再教育中の青年が隠し持っていた外国小説をむさぼり読んでいたりしてつらい日々をしのいでいた。そこで「お針子」と呼ばれる少女(チョウ・シュン)に出会い、二人は彼女に恋をするが、ルオは少女に積極的にアプローチし、マーは思いを寄せながらも陰で二人を気遣っていく。二人の影響でバルザックを読み、知識を持つことを欲するお針子。そして広い世界を見たくなったお針子は、山奥の村と二人の青年のもとから旅立ってしまう…。
出演 ジョウ・シュン チュン・コン リィウ・イエ
この映画にいくら出せますか? 選んでください〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
コメント 今週のビデオ4本のなかで私はこれが一番楽しかった。文化大革命のさなか反革命分子の子として再教育のため山奥深くに送り込まれた若者二人が生き生きとみずみずしい。こういう具体的な中国の歴史をなんにも知らずにいたことも、実際はもっと悲惨な実態が数多くあっただろうことも忘れ、「私は再教育を受けた青年の些細な日常を描いたのではなく、本というものがひとり人間の人生をがらりと変えてしまう様子を語っている。読書は多くの喜びを与えてくれた」という原作者であり監督のダイ・シージエの意図に素直に共感できる作品。監督自身の実体験に裏づけされた物語は、音楽や文学の持つ可能性のすばらしさを再認識させてくれる。お針子の自立につながるパルザックもだが、デュマの「モンテクリスト伯」に魅せられた仕立て屋の老人が創作意欲を掻き立てられ、パリモードを思わせるカラフルで斬新な洋服を次々に作っては村の若い娘たちに着せるところが楽しい。新しい文化の一端に触れた老人が自由と未知の世界を求めて旅立ってゆくお針子を止められはしないことをいちばん理解しているのも切ない。舞台の四川省チベットとの国境沿い、鳳凰山という山村がまた、美しい。ダムの底に沈んでしまうと知ってなおさらに。お針子のジョウ・シュンの表情が美しいし、チュン・コン、リュウ・イエもまさにぴったりの適役。中国や韓国に素敵な若い俳優がどんどん育っていることを感じさせてくれる。


はだしの1500マイル(フィリップ・ノイス)
2004/05/25 05:20
ストーリー 1931年のオーストラリア。<br>当時、先住民アボリジニの 子ども達を家族から隔離し、白人社会に適応させようと する隔離同化政策がとられていた。<br>そのため強制的に 収容所に連れ去られた少女3人は、母の待つ故郷に 帰るため、オーストラリアを縦断するうさぎよけのフェンスを頼りに逃走する。 <br>母の待つ故郷まで1500マイル。<br>自分たちを信じて90日間 歩き続けた。<br>
出演 エヴァーリン・サンピ ローラ・モナガン ディアナ・サンズベリー
この映画にいくら出せますか? 選んでください〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆
コメント 1500マイルは2400km。稚内から那覇までの距離に相当する。ひたすら母親の待つ故郷に戻りたい一心で、執拗な追跡者と大自然の脅威にさらされながら、ありったけの気力と知恵を振り絞る少女たち。映画はそれだけを描いて、それだけで、充分成立しているけれど、1930年代の実話として見終えるわけには行かない。当時の白人本位の隔離同化政策がいかにアボリジニにとって理不尽なものか。善意からの善政と信じていることが恐ろしい。1880年代から1970年代にかけて行われた誤りは今ようやく気づくとして、また、繰り返されている同じ誤りには今気づけないという情けない歴史を繰り返すだけなのかな。アボリジニの保護官であるネビルという男がどうしても現代の政治家にダブってしまう。

ムーンライトマイル(ブラッド・シルバーリング)
2004/05/24 21:07
ストーリー 結婚式の直前、婚約者のダイアナが流れ弾に当たって死んだ。悲劇の花婿となったジョーは、そのまま彼女の両親の元に残り、理想的な娘婿の役目を果たそうとする。が、彼にはどうしても言い出せなかった。事件の3日前、友達以上の関係になれないと気づいたダイアナと密かに別れていたことを……。

出演 ジェイク・ギレンホール ダスティン・ホフマン スーザン・サランドン
この映画にいくら出せますか? 1000円〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
コメント いわゆる婚約者を失った男、娘を失った両親の悲しみをつづるお涙頂戴物語ではない。哀しみの底から立ち上がる3人にとって思いやりや優しさで支えあうことより、お互いに真実を見つめることが大切というのがアメリカらしくていい。「卒業」を思い出させるものがあるが、あのみずみずしい青年ダスティン・ホフマンがいまや父親役なのに妙に感動した。主役の3人がそろぞれにいい味わい。

めぐり合う時間たち(スティーヴン・ダルドリー)
2004/05/24 18:44
ストーリー 最も古い物語は1941年、主人公はイギリスの女流作家ヴァージニア・ウルフ。彼女は『ダロウエイ夫人』という小説を書き始めたが、ひどい頭痛からくる不眠症に悩まされている。 次は1923年、ロサンジェルスに住む主婦、ローラ・ブラウン。彼女は夫のダン、一人息子のリッチーと暮らしている。妊娠中の彼女は、大の読書好きで、ヴァージニア・ウルフの『ダロウエイ夫人』を熟読している。 最後は20世紀末を生きるニューヨーカー、女性編集者のクラリッサ・ヴォーン。彼女の友人である詩人、リチャードがある文学賞を受賞し、彼を囲むパーティを計画している。リチャードは彼女のかつての恋人で、彼女のことを『ダロウエイ夫人』と呼んでいる。彼はエイズを患っており、死を覚悟している。
出演 ニコール・キッドマン ジュリアン・ムーア メリル・ストリープ
この映画にいくら出せますか? 2000円〜選んでください
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
コメント 三つのストーリの流れとその出会いがこの映画の醍醐味のはずだが私自身はイマイチその面白さを理解できていない。単純なオムニバスではなくそれでいてスムーズに転換するストーリー。だけど娘は感動して泣いているのに私はどこでなくのだろうという具合。彼女の友人も感動し、その友人は私と同じ反応だったそうだから、評価は2分するのかな。けして私には哀しい映画ではなく、女性の生き方を問う意味で見ごたえはあった。美しい演技派の3人の演技はさすがで、衣装も素晴らしい。ジュリアンムーアの美しさは際立っていて、表情や言葉に惚れ惚れしてしまった。ラストの老いのシーンも毅然として、また、美しい。映画の感想はもう1回見るときっと違うものになるとという気がする。

アマデウス(松本幸四郎)
2004/05/12 09:15
ストーリー 1823年、晩秋のウィーン。街中で「ウォルフ・ガング・モーツァルト(市川染五郎)の死はアントニオ・サリエーリ(松本幸四郎)の暗殺によるもの」という信じがたい噂が囁かれていた。しかもその噂の出処は、サリエーリ自身であるという。すでにモーツァルトの死後32年が経過していた。70歳に達するサリエーリは衝撃的な告白をはじめる。<br> 1781年、皇帝の寵愛を受ける宮廷作曲家サリエーリ。この若き成功者には唯一気にかかることがあった。それは、弱冠25歳のモーツァルトの驚くべき評判の高さである。モーツァルトがウィーンにやって来ると聞いたサリエーリは警戒しながらもその演奏会場へ出かけるのだった。しかし、彼が会ったモーツァルトは、フィアンセのコンスタンツェ・ウェーバー(馬渕英里何)と卑猥な言葉を口走る行儀の悪い、軽薄な、子供っぽい青年であった。驚くサリエーリ。だが、その夜彼が耳にしたセレナーデの素晴らしさに、彼は震撼するのだった。<br> 浪費家で喧嘩好きなモーツァルトは、やがて仕事にあぶれ生活に困るようになるのだが、その才能は尽きることがなかった。天衣無縫をそのまま具現化したようなモーツァルトの楽譜を見たサリエーリは、その中に“絶対の美”“神の声”を見出すのだった。幼い頃、神に一生を捧げると誓ったサリエーリ。ところがその神の手ひどい仕打ちにサリエーリは慄然とし、“神に愛されたアマデウス”を通して神に対する命がけの戦いをはじめるのだった……。
出演 松本幸四郎 市川染五郎 馬渕英里何
この映画にいくら出せますか? 5000円〜選んでください
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
コメント 人間模様としてモーツアルトとサリエーリの関係は面白いし、サリエーリの人間くささは嫌悪の情を超えて納得できるし、共感までしてしまう。だけど芝居としてほんとに見所があるのかなというと、染五郎のモーツアルトは幼稚っぽくて、音楽的な天才という面があまり伺えない。幸四郎も芝居よりもストーリーテラーの部分が多いので、全体として盛り上がりにかける気がして、私には退屈だった。多分役者に感情移入する、同じ舞台を何度も見るなど、観劇にもコツがあるような気がするが、まったくど素人で初めての場合、結構つらかった。映画のようにもっとモーツアルトの曲が聞けると楽しいなんて思うのは素人とすぎる?改めて映画を見直そうという気になった。(5月11日銀座テアトルにて)

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