トロイ(ウォルフガング・ペーターゼン) 2005/02/20 07:37
ストーリー 伝説的なトロイ戦争の勝利と悲劇を描いた歴史スペクタクルであり、古代ギリシャの叙事詩人ホメロスによる「イリアス」にインスピレーションを受けている。紀元前のギリシャで起こったとされるトロイ戦争を題材に、トロイの王子パリスが、スパルタの王妃を奪ったことから、ギリシャ全軍がトロイを攻撃する物語が展開される。ギリシャ軍に属する無敵の戦士アキレスと、パリスをかばう兄ヘクトルの闘いが最大の見せ場。<br>戦いの意味に悩みながら、戦士の本能が働くアキレスを中心に、あらゆる登場人物が心に複雑な闇を抱え、ドラマは重層的。
出演 ブラッド・ピット エリック・バナ オーランド・ブルーム
この映画にいくら出せますか? 2000円〜〜3000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆
コメント 2時間43分の作品が長いとはけして思わない。むしろあっという間。世界史に弱い私は史実だのホメロスのイリアスなんどは全くお構いなし。充分面白く楽しい。全くブラピは超かっこいい。胸板の厚さ、筋肉質な手足、愁いを帯びた表情。ブラビびいきでなくともぐらっとくるオーラが。人間的な魅力で光るのがエリック・バナ。胸を締め付けられるくらい男らしさが哀しい。オーランドは腰抜けの間抜けな色男って感じだし、ピーター・オトゥールはすでに高齢で無能な王様だけど、風格と威厳はそのままに、敵地にへクトルの遺体を取り戻しに行く勇気は圧巻。というわけで次々出てくる男を品定めしながらあっという間に見終えてしまう。女性軍は戦記ものにありがちに添えられた花のごとく印象が薄いと感じるのは単に私が男にしか注意が向いてなかったせい。

デイ・アフター・ツモロー( ローランド・エメリッヒ)
2005/02/16 18:30
ストーリー 地球温暖化が原因で世界各地で異常気象が発生。ロサンゼルスに巨大竜巻が襲来し、日本には巨大なヒョウが降り注ぎ、ニューヨークは洪水で水没。さらに地球は再び氷河期へと突入し、北半球は完全に氷に覆われてしまう。そんな中でニューヨークの図書館にいて生き残った息子サムを救いだそうと、気象学者ジャックは凍てつくニューヨークへ向かう。
実際に異常気象が続々と起きていることを考えれば、とても絵空事とは言えない作品。ローランド・エメリッヒ監督は、各地で起きる自然災害をドーンと引いた画で撮影。CGなのだからいくらでもカメラが回り込んだりする画ができそうだが、こざかしいことをせずに自然の驚異を真っ向勝負で描き出した。人間ドラマが弱いのは欠点だが、本気で地球の危機に取り組んだ作品としては見応えがある。
出演 デニス・クエイド    イアン・ホルム エミー・ロッサム
この映画にいくら出せますか? 2500円〜〜3000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
コメント スマトラの大地震に続く津波のすごさをリアルタイムに経験した後で、この映画がSFものとはとても言えずに現実味を帯びてくる。特に前半気象学者ジャックとラブソン教授の出会いと二人の説得力ある異常気象の説明は予断を許さないことを実感させ、説得力がある。ただ、後半ニューヨークの図書館に取り残された息子の救出劇が展開の中心になると、妙に違うだろう?と思う。地球の存亡の危機に際して、気象学者としての立場はどうなるんだと。壮大なSF大作が普通の家族ものに終わってしまうなんて。もったいなすぎる。一刻の猶予もならない地球の温暖化の事態をもっと強烈にアピールして欲しい。炭酸ガス削減を目標達成どころか数値をバイバイで済ませようなんて輩がこの地球を支配しているのだから。

マップ・オブ・ザ・ワールド(スコット・エリオット)
2005/02/12 14:10
ストーリー 家事と教師の仕事に追われながらも穏やかに暮らすアリスは、預かった親友・テレサの娘を溺死させてしまう。罪の意識に悩む彼女に幼児虐待の疑惑が…。


出演 シガニー・ウィーバー ジュリアン・ムーア クロエ・セヴィーニー
この映画にいくら出せますか? 1000円〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
コメント なんことはない。以前見たのを忘れてまた、借りてしまったもの。このページで確認すると2年前に見ていた。やはりこの記録も私には無駄ではないって言うもの。2度めに見ながらストーリーもそれとなく覚えてはいるが、退屈ということはなく全部見終えた。それぞれの立場をきちんと描いていてお互いにその範疇でバランスをとって生きてゆくさまに共感を覚えた。単に被害者・加害者という人間関係や事件ものでなく、それを通して、夫婦、友人、親子として関わる人間関係の微妙さと個人としての生き方の選択が興味深い。

北京ヴァイオリン(チェン・カイコー)
2005/02/03 05:59
ストーリー 中国の豊かで美しい片田舎に息子を一流のヴァイオリニストにする事を夢見て全てを捧げる貧しい父と、父を愛しながらも顔も知らない母の面影を追い求める少年が住んでいた。少年は母の形見のヴァイオリンを弾くのが得意だった。二人はコンクールに出場するために北京へ行き、そこで著名な先生の個人指導を受ける事になり、北京で暮らし始める。急激な変化を遂げる競争社会の大都会は、地方出身の少年の心に影を落としたが、少年が奏でるヴァイオリンの旋律は、彼に関わる人々の心を癒してゆく。やがて少年は国際舞台に羽ばたく大きなチャンスをつかむ。
出演 タン・ユン リウ・ペイチー ワン・チーウェン
この映画にいくら出せますか? 2000円〜〜3000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
コメント 親子の情愛と音楽の純粋性とそれを取り巻く環境(大都会北京のの排他的で才能だけでなく、過酷な競争社会の中で勝ち抜く強さがないと生き残れないクラシック界)それに多感な14歳の少年の不安定でみずみずしい感性を織り交ぜながら全編に次々に流れるクラシック演奏を楽しめる上質の映画。後半監督自らの登場や、意外な出生の秘密などで興ざめな部分もあるがなんといっても主演の少年と父親の自然な演技が素晴らしい。チュンによって音楽への情熱と精気を取り戻したチアン先生がこれが最後のレッスンと決めて合奏する場面は心に残る。

死ぬまでにしたい10のこと(イザベル・コヘット)
2005/02/02 14:26
ストーリー 23歳という若さで、がんで余命2か月と宣告されたアン。彼女は死ぬまでにやると決めたことをノートに10コ、書き留める。オシャレのこと、ふたりの娘のこと、そして夫以外の男と付き合ってみること…。リストを作ったときから、アンの平凡だった人生がイキイキと動きだした。
死を目前にしながらも、その事実を誰にも明かさず、リストを作って実行していくことで、死の恐怖を回避し、幸せで甘い幕切れを求めるアン。自分の不運な運命を知っても、決して動揺せずに、残り少ない人生を最上のものにしようとする。
出演 サラ・ポーリー スコット・スピードマン マーク・ラファロ
この映画にいくら出せますか? 1500円〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
コメント 誰も悪い人はいない。みんないい人ばかり。ある日死は人を分かつ。それが23歳のアンでなければいけないわけはないとしても。死を宣告されて、一人で受け止めて、やるべきことをリストアップできるかな。それも幼い娘たちが18歳を迎える誕生日までのメッセージを残しておくなんてこと。若いアンが人に愛を注ぎ、愛にくるみながら、冷静に死と向き合っていけるなんて信じられない。単にお涙頂戴じゃなくて最後のときまでしっかり生きているそのしなやかな生き方が印象的ですがすがしい。でもそんなにかっこよくなくたっていいんだよといってあげたい気はするけれど。

岸和田少年愚連隊(井筒和幸)
2005/02/01 06:48
ストーリー 中場利一の同名小説を人気お笑いコンビ・ナインティナイン初主演で映画化した青春グラフティ。監督は「ガキ帝国 悪たれ戦争」「犬死にせしもの」の井筒和幸。1975年、大阪・岸和田。チュンバと小鉄の悪ガキふたり組は、今日も悪友たちとのケンカに明け暮れる……。映画は彼らふたりの中学〜高校時代のケンカばかりの日常をコミカルなテイストと瑞々しいタッチで活き活きと描いていく。
出演 矢部浩之 岡村隆史 秋野陽子
この映画にいくら出せますか? 1000円〜〜3000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
コメント たまたま息子の希望で借りていたビデオもいっしょに見て、先の下妻物語と同様無条件におもろかった。偶然いろんな対比も楽しめた。時代やチンピラ・愚連隊・ツッパリ・ヤンキー。
 こんな映画大阪が好きで、吉本が好きでナイナイが好きでなかったら全然見る人いいひんやろと思うとそうでもない。全くそういう素地と素養のないお笑いに3分遅れてくる(みんなが笑い終わった後に笑う人)夫まで喜んでみていた。10年前のナイナイの二人がみずみずしくしかも充分才能あるお笑い芸人の資質が妙に新鮮。ええコンビだといまさら思うし、宮迫が下妻でもまた、活躍しているのもすごい。最近井筒監督がメジャーになりすぎと思うけど、このころいい味を出してたんだなとなつかしい。

下妻物語(中島哲也)
2005/02/01 06:30
ストーリー 田園風景が広がる美しい茨城県下妻市。青空の下フリフリのロリータ・ファッションで闊歩する少女・桃子(深田恭子)の生きがいはお洋服。ロリータ一直線で他人を必要としない桃子の前に、真っピンクの改造原付きに乗った地元のヤンキー少女(土屋アンナ)が現れる。
出演 深田恭子 土屋アンナ 宮迫博之
この映画にいくら出せますか? 1500円〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
コメント 娘が借りたビデオをいっしょに楽しく見てしまった。先入観なくしてしてみれば充分楽しめる映画。なるほどねと妙に共感もしてロリータファッションのフカキョンにもヤンキーの土屋アンナにもかっこよさを感じてしまう。納得できない今様のファッションの若者がすべてここまで徹底した個人主義を貫いているとは思えないけれど、自分の感性を信じて他に惑わされることなく、個人主義に徹し切れるならそれはお見事。

トスカーナの休日(オードリー・ウェルズ)
2005/01/29 06:49
ストーリー サンフランシスコの女性作家フランシス。夫と幸せに暮らしていたはずが、ある日突然夫の浮気が発覚、離婚へと至ってしまう。ショックを引きずる彼女に、友だちはイタリア・トスカーナ地方への旅行を勧める。こうしてひとときの休息のつもりで現地へとやって来たフランシスだったが、間もなくトスカーナのゆったりとした雰囲気に惹き込まれていく。そして、彼女はその道中で見つけたある一軒家に運命の出会いを感じ、衝動買いしてしまうのだった。彼女は、地元の人たちの助けも借りながら、その倒壊しそうなほど古い家屋の修復に夢中になっていく…。 <br><br>
出演 ダイアン・レイン ラウル・ボーヴァ ヴィンセント・リオッタ
この映画にいくら出せますか? 1500円〜〜2000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
コメント もし、予期せぬ離婚なんてことで傷ついたとしたら、こんな風景で、こんな人たちと、こんな風に癒されていきたいと思うでしょう。そんな女性のメルヘンチックな思いを楽しめばそれなりの映画。明るいイタリアの田園風景も、イタリア人の陽気な性格も。ちょっと無責任なイタリア青年の恋の仕掛けも。それにしてもラウル・ボーヴァってなんてハンサムなんでしょう。それでいてヴィンセント・リオッタの優しさ(ほんとは英国人だけど、最初から「旅情」のロッサノ・ブラッツィを髣髴とさせる)マリオ・モニチェッリの最後のシーンのかっこよさ。失恋したらイタリアに行くに限る!

カレンダー・ガールズ(ナイジェル・コール)
2005/01/16 09:18
ストーリー ヨークシャーの田舎町ネイプリーでは、地元の婦人会が主婦たちの社交の中心。定例ミーティングで取り上げられるのは、「ブロッコリーの栽培方法」に「秘伝のジャムの作り方」…あまりにも刺激的な毎日に、婦人会のメンバーで大親友のクリスとアニーは心底うんざりしていた。そんな日々の中、アニーは最愛の夫ジョンを白血病で亡くす。悲しみに沈むアニーの気分を晴らそうと、クリスは大胆な一計を案じる。毎年恒例の婦人会のカレンダーの売り上げを伸ばして、ジョンが世話になった病院に寄付をするために、自分たち自身がカレンダーのモデルになろうというのだ。しかも、ヌードで! 初めはとりあわない婦人会のメンバーたちだったが、いつしか有志が集まり始めた。自分の人生の主役は、まぎれもなく自分自身なのだと実感できるような瞬間を。婦人会幹部の圧力や家族の反発、そして周囲の好奇の目にもへこたれず、彼女たちは走り始めた──。
出演 ヘレン・ミレン ジュリー・ウォルターズ ジェラルディン・ジェームズ
この映画にいくら出せますか? 1000円〜〜5000円
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆☆
コメント それにしても美しいのは若さだけではないってことが嬉しい。確かにみんなアップで見るとそのヌードを見たいとは思わないほどに年を重ねているけれど、写真になるとなんて綺麗。人生をそこににじませて若さでは出せない味わいがプラス。ぼかしの入った優しいレンズ越しの彼女たちは生き生きと輝いている。ご主人たちだって気がきじゃないけど内心惚れ惚れ。ヌードになる勇気を持つことで心と日常を解き放って、晴れ晴れと自信を持って生きてゆく女性たち。お堅い英国の実話だというからそれがまた楽しい。説教調の後半はちょっと蛇足という気がしないでもない。あっけらかんと楽しいお話で十分だったという気がするけれど。

プロジェクトX「鉄道分断 突貫作戦 奇跡の74日間」(今井彰)
2005/01/16 07:23
ストーリー  1995年の阪神・淡路大震災で壊滅的な被害を受けた神戸の鉄道網。高架や橋が落ち、本格復旧に2年はかかると言われた。道路は大渋滞でまひし、神戸は他都市と隔絶され、陸の孤島となった。
 しかし、わずか2か月半後の4月1日、驚異的な早さで全線開通した路線があった。神戸と大阪を結ぶ大動脈・JR東海道本線。
 最大の難所となった六甲道駅一帯(神戸市灘区)。高架化されていたこの区間は、瓦れきの撤去、新たな高架橋の建設など大規模な工事が必要だった。
 「鉄道の復旧なくして、神戸の街はよみがえらない」とJR西日本と共に果敢に挑んだのは、関西の建設会社・奥村組の技術者たち。変わり果てた故郷神戸の姿を目の当たりし、今こそ土木屋の力を出すと誓った。
 新たな高架橋の建設には、2年の歳月が必要だった。しかし、復興実現のために猶予はなかった。工期短縮のため驚きの工法が考え出された。
 なんと落ちた高架橋をジャッキアップし、再利用。
 工事は難航を極めた。1200トンもある巨大な高架橋は大きく傾き、わずかでもバランスを崩すと滑り落ち、二次災害を起こす恐れがあった。さらに度々、強い余震が襲い、工事中断を余儀なくされた。真冬の現場で24時間体制で闘ってきた技術者たちは疲労の限界に達しようとしていた。
 そのとき建設マンを励ましたのは地元の被災者たちだった。
 思いもかけぬ行動で技術者たちを励ました。
 神戸復興の第一歩を踏み出すために闘った技術者たちと地元住民の74日間の壮絶なドラマ。

出演 国井雅比古 膳場貴子(ぜんば・たかこ)
この映画にいくら出せますか? 0円〜いくら出してもいい!
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
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コメント 1月11日放送
10年にもなるあの阪神・淡路大震災の際のJR東海六甲道駅付近の修復工事。
なくなった父が勤めていた会社なので母から見るようにと連絡があった。
なくなって20年にもなろうと言うのに、いまだにそういうニュースを一人で暮らす母に伝えてくださる会社の方がいることも嬉しい。当日見れなかったのでビデオにとっておいた。
あの当時の被害のすさまじさにあらためて驚いた。
そして2年はかかると言われた復旧をその技術力と使命感でたった74日の突貫工事で成し遂げた記録は、作業着姿の父の生前の姿とダブって涙があふれた。
いつもながら困難な仕事に立ち向かう姿の素晴らしさに心打たれる番組。


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